両親ふたりが住んでいた家も、時の流れでどちらかが亡くなって独り暮らしをしている親も少なくはないでしょう。
親がいなくなった後、子供夫婦がそこに住むのであれば大きな問題はないかと思います。
しかし実家に戻らないとなると、かなりいろんな問題が起こってきます。
- 少しだけ、自己紹介
元・保育教諭の主婦「のん」です。
子育てと仕事との両立を考えた時に「副業」を始めました。
子供が大きくなって、親の介護が始まりました。
仕事を辞めて、本気で始めたのがこの「ブログ」と「メルカリ」です。
自然の中にいることが好きなので、よく旅に行きます。
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そのことに負担を感じている人も、きっと多いはず。
家を放置しておけば老朽化は進みますし、固定資産税もかかります。
「実家」をどうするのか考えなければなりません。
しかし、何から手をつければ良いのか見当もつきません。
でも今回私たちは偶然に頼んだ「シロアリ点検」から、あるヒントを得ました。
そこから我が家の方針が「賃貸」する方向に決まっていったのです。
もくじ
どうする?一人っ子の実家じまい
このたび、夫の両親は共にいなくなりました。
私たちはすでに持ち家があります。
そのため、実家じまいをすることにしました。
実家じまいにも、いくつかの選択肢があります。
どの選択にしろ、それなりの時間と費用が掛かります。
「遺品整理」にも、廃棄等、相当の費用が掛かります。
「遺品整理」が済んだら、今度は不動産である「家(土地)」についても考えます。
「家」「土地」の活用方法としては、大きく分けて4つ選択肢があるかと思います。
「家」「土地」の活用法
家や土地の有効な活用として大きく分けて、4つのなかからになります。
- ① 売 却
- ② 解 体
- ③ 駐車場など活用
- ④ 賃 貸
最初に考えること・・・
売るか、売らないか?
売る!
- ①そのまま売却する・・・
- 不動産屋に相談する。
*メリット
リフォームの必要が、ありません。
中古物件付きで、売ることができます。
固定資産税が、不要になります。
*デメリット
思ったように売れない場合が、あります。
相談窓口
不動産の売買・賃貸に関すること 賃貸住宅経営者協会
不動産を通さないで直接取引もできますが、トラブルも考えられます。
専門家に仲介してもらった方が、後々安心かと思います。
- ②更地にして売る・・・
- 解体業者に相談、依頼する。
*メリット
倒壊の危険を、防げます。
流通性が、高くなります。
管理の費用・手間が、なくなります。
建物部分の固定資産税が、なくなります。
建て替え工事が、しやすくなります。
*デメリット
解体費用に、お金が掛かります。
売れなかった場合、固定資産税額が上がります。
相談窓口
解体に関すること 解体工事業協会
売らない!
- ③駐車場などにする
- *メリット
不動産屋に管理を頼めば、負担が減ります。
*デメリット
土地を整地する費用が、掛かります。
固定資産税額が、上がります。
相談窓口
不動産の売買・賃貸に関すること 賃貸住宅経営者協会
もしくは、近くで駐車場を管理している不動産屋や知人などに相談してみるのも良いでしょう。
- ④賃貸にする
- 我が家は、④の賃貸を考えています。
*メリット
資産として、残せます
将来、住むこともできる可能性があります。
賃貸の収入が、見込めます
*デメリット
リフォームや管理に、費用が掛かります。
修繕費用など、維持費が掛かります。
相談窓口
不動産の売買・賃貸に関すること 賃貸住宅経営者協会
①~③までの選択であれば費用は掛かるものの、比較的することのステップは少なくてすみます。
④の賃貸となると、考えることもすることも多くなります。
今回、私たちの選んだ選択肢である「④賃貸」について取り上げます。
*実家じまいの活用方法は、①~④以外にも様々です。
自分に合った選択肢を、見つけてください。
DIY賃貸
ところでDIY賃貸」を、ご存知ですか?
今は「DIY賃貸」といって、リフォームが好きな人に家を貸し出すことができます。
あまりリフォームにお金をかけず、賃貸に出せる可能性があるのです。
今回、私たちが選択した「賃貸」として有効活用していくためのステップを考えていきます。
とはいえ、不動産は自分たちだけで考えるのは難しいことも多いかと思います。
今は市町村単位で、「空家対策支援」として窓口のある自治体も多いです。
「DIY賃貸」も調べているうちに、知ったことです。
他にも、自分に合った活用法が見つかるかもしれません。
お住まいの地域や役所を調べて、相談してみるのも良いでしょう。
相続や登記
相続
ここで、相続についても考えなければなりません。
「家」や「土地」などを相続する場合の、相続税のことです。
遺産の総額が3,600万円以下ならば、無税です。
法定相続人が1人増えるごとに、600万円ずつ加算します。
実家の親が残した遺産が3,600万円以下であれば、税金は掛かりません。
夫の実家の資産価値や預貯金などは総額で、3,600万円以下でした。
そのため、税金の心配はありません。
登記に関する費用
我が家の場合、相続税は問題なさそうです。
しかし「家」や「土地」の名義変更に掛かる登記のための費用が掛かります。
登記の費用は、大きなものとして
登録免許税=不動産の価格(課税額)×税率0.4%
となります。
ざっくりとした計算ですが
不動産の価格(課税額)が、2,000万円だとすると、
2,000万円×0.4%=8万円になります。
相続登記においては、司法書士に相談すると良いです。
相談窓口
日本司法書士会連合会(「無料相談会」や「初回無料」などあります)
本やYouTubeを見て自分で作って提出する人もいます。
▪️登記に関することは、法務局です。
相続人調査
被相続人(故人)にどのような相続人がいるかを調査する手続きです。
相続が発生した時に必要な手続きです。
▪️相続人調査に関することは、行政書士会にて
その他
▪️相続・登記・成年後見に関することは、司法書士会にて
実家の調査
建物の状態
賃貸に出す前に、実家の現状を把握するために状況を調べます。
調べる場所として・・・
- 外側 屋根、外壁、塀など
- 内側 各部屋(浴室・トイレ等の全て)の床、床下、壁、天井、建具、屋根裏など
- その他 耐震、水回り、電気、シロアリや害虫の被害など
耐震診断
リフォームをする前に、耐震性に問題ないかも確認してスタートすると良いでしょう。
耐震診断は、誰がしますか?
耐震診断は専門の知識と経験が必要で、「耐震技術認定者」が診断を行います。
耐震性が十分かを確認をすることは、とても大切です。
相談窓口
▪️耐震診断、リフォーム(改築・模様替え)に関すること 建築士事務所協会
土地の境界トラブル防止
所有している土地の周りに、境界を示す目印があります。
しかし何らかの理由でその目印がなくなり、境界が失われてしまっている場合があります。
そうした問題がある場合には、土地家屋調査士会に相談してみましょう。
相談窓口
▪️土地の境界に関すること 土地家屋調査士会
古民家再生
夫の実家は、古民家です。
古民家とは、「築50年以上の木造軸組み工法の住宅」です。
実家を売却するにしても、賃貸にするにしても、解体や更地にする場合を除いては、建物の状況を把握します。
現状を把握することは、リフォームするかしないかの時に判断がつけやすくなります。
状況を理解したうえで、どんなリフォームができるかを考えていくことがおすすめです
古民家は年数が経過しているので、水回りの劣化や雨漏りなどに注意が必要です。
参考
▪️全国古民家再生協会
古民家にありがちな建物の劣化はどの部分でしょうか。
・給排水管の劣化による水漏れ
台所や浴室の設備交換をしていても、給排水管が古いままということも多々あります。
・雨漏り
雨漏りの被害も多く、原因の特定が難しいため少量の雨漏りに気がつかないことがあります。
たとえ今は雨漏りは見えなくても、壁や天井に雨染みがあれば注意が必要です。
壁内の断熱材がカビたり、構造材の腐食の原因にもなったりします。
・外壁にヒビ割れ
壁のヒビ割れからの浸水が建物に影響します。
補修する必要があります。
・建物の傾き
原因を調査した上で対処します。
床に傾きがある場合は、確認をしましょう。
傾きの原因は、いろいろです。
→地盤の影響、木材の構造部分が腐っているなど
・シロアリの被害
シロアリの被害も見過ごせません。
侮ると、後から大変なことにもなりかねません。
点検は無料のところも多いので、一度依頼してみると良いでしょう。
補修可能かどうか?
古民家でも、補修をすることで賃貸に出せることができる場合も多いです。
そのためにも、事前の調査をしてもらうことは大切です。
古民家をリフォームや修繕する場合は、屋根や外壁などの劣化が目立つ箇所を点検しましょう。
早めの修繕が必要です。
屋根の修理は、葺き替えや塗装・補修などがあります。
外壁の修理は、塗装や左官壁塗り替え等の補修があります。
他にも・・・
・建具が開かない場合の改修工事
・柱等の木部の腐れ
・断熱性・気密性の問題などもあります。
こうした諸々の条件で、実家をどうするかを考えていきます。
いちばん悩ましい問題は、リフォームの費用です。
古民家である「家」に、どこまで費用を掛けるかが最大のポイントとなります。
期限付き賃貸
何年か先で子供たち世代が住むとわかっていれば、期限付きの賃貸「定期借地」として貸し出しをすることでしょう。
しかし借りる側としては、期限がない「普通借地」方の需要が多いです
期限のない賃貸の「普通借地」にしてしまうと、立ち退きの問題も出てきます。
将来のイメージができない時は、難しい問題だと思います。
そのような場合は駐車場にしてしまったり、そのまま売却をしてしまったりもできます。
方法は、いろいろとあります。
今後どのようにしていくかは、家族間の話し合いや専門家への相談が欠かせません。
我が家の反省と後悔
我が家の反省として・・・
夫の実家じまいにおいて、これまでに書いてきたような前知識がほとんどないままに話を進めていました。
そのため、何か問題がわかってから対応するということをしていました。
そうなるとその都度、出費が発生します。
どれも重要といえば重要なのです。
しかしこれだとキリがない、と思っていた時のことです。
ある時、今後も家を使うなら「シロアリ」問題は”重要”ということで、点検(無料)を依頼しました。
このことがきっかけで、実家の建物の状況がかなりよくわかりました。
それまでもいろんなところに屋根や外壁などの見積もりを取っていましたが、家全体のことをトータルで考えることができずにいました。
いろんな箇所の修復においては、値段がピンからキリまであります。
その時この「シロアリ点検」は、家のすみずみまで調べてくれました。
本来「点検」は、シロアリの被害を調べるためのものです。
この細かい点検によって普段はあまり見ることのない床下や天井裏まで写真で見ることができました。
このことによって、実家の現状がだいぶ分かりました。
シロアリ点検も業者によってはさまざまかと思います。
今回我が家で依頼した業者さんはいろんな疑問や質問に真摯に答えてくれました。
信頼のおける業者を、探すと良いでしょう。
実家をどうしていくのか?の考え方
結果的にシロアリの点検を依頼したことで、家の状態は思いのほか大丈夫そうだということがわかりました。
これまでの他の調査も踏まえ、全体的なことがわかりました。
傷んだ箇所や修復した方が良いところのみを補修すれば、まだ使えるのではないかということになりました。
この結論により、リフォーム費用も最小限に抑えることができました。
予算を組む
そして「賃貸」に決めたのであれば、予算組みも考えた方が良いです。
どれだけの見込みで収入があるのかの見当をつけ、どれだけの期間で投資した費用を回収するかの計算です。
こうした計画に見合った判断をするためには、家の状況・状態・相場・予算・見込める収入を知ることはとても大切です。
判断
今回、シロアリの点検(無料)をしてもらったことでたくさんの気づきがありました。
丁寧な点検で、15坪ほどの平屋という小さな実家を1時間半ほど掛けて調べてくれました。
点検の結果、これまでにこまめに手入れをしてあったようでほぼ問題ないことがわかりました。
他にも、いろんなアドバイスをもらいました。
いくら外観や内装が綺麗でも、シロアリの被害に遭っていればひとたまりもありません。
それほど恐ろしいのがシロアリです。
でもきちんと点検をし予防をすることで、家の基礎的なところはかなり守られます。
今回この点検をしたことが、今後の方針を決めることに大いに役立ちました。
被害が大きければ、取り壊しも考えなければならなかったと思います。
良い業者さんに、出会えました。
葬儀後の家じまい|まとめ
家じまいというのは、やることがたくさんあります。
すべて業者に頼んでする方もいますが、「遺品整理」をするだけでも相当の金額になります。
今は、物を捨てるにも廃棄料など掛かってしまいます。
自治体のごみ焼却場に持ち込んで捨てることもできますが、これらも軽トラックや人の手配など無料というわけにはいきません。
そしてもちろん、自治体に廃棄料も支払います。
また、ライフラインである電気・ガス・水道・電話についても手続きがあります。
一人っ子の夫は、親が亡くなってからしなければならないことは山ほどあります。
仕事の休みのたびに、区役所や年金事務所、法務局など次々と予定が詰まっていきます。
そしてその日に行って用件が済めば良いのですが、今はどこも事前に予約を取っている機関が多く、すぐに手続きが終わるということもありません。
家じまいが落ち着くまでには、半年から1年と言われています。
やること一覧を作り、ひとつひとつ確実に片付けていくことをお勧めします。
自治体によっては、「手続きガイド」があります。
参考にしながら、進めると良いでしょう。
- ▪️相談窓口 一覧
- 登記に関すること→ 法務局
- 相続人調査に関すること→ 行政書士会
- 相続・登記・成年後見に関すること→ 司法書士会
- 耐震診断、リフォーム(改築・模様替え)に関すること→ 建築士事務所協会
- 土地の境界に関すること→ 土地家屋調査士会
- 不動産取引に関すること→ 宅地建物取引業協会 全日本不動産協会
- 不動産の売買・賃貸に関すること→ 賃貸住宅経営者協会
- 解体に関すること→ 解体工事業協会
- 建物の修繕等に関すること→ 工務店協会
ご両親が健在のうちでも少しずつ、このようなことは考えておいた方が慌てなくてすむかと思います。
ぜひ、参考にしてください。
夫は一人っ子です。夫の父は30年前に他界しました。
実家で独り暮らしをしていた夫の母が、今年天国へと旅立ちました。